ふるさとなみえ科

「ふるさとなみえ科」授業公開平成28年 2月21日(火)

「ふるさとなみえ科」授業公開全大会記録
ふるさとへの誇りをもち、生き抜く力を育てる「ふるさとなみえ科」の実践 ~5年間の歩み~

期日平成29年 2月21日(火)
会場浪江町立浪江小学校
参加者発表会:61名
全体会:49名
講話福島大学名誉教授 境野 健兒 先生

「ふるさとなみえ科」は、未曾有の大震災から、どのような学びを作りながら子どもたちの生きる力を育てるかを提起する意味のある実践である。

4つの提言をしたい

(1)「浪江小・津島小学校は、子どもの学びと育ちを大切にしている学校である」

子どもが調べたことを発表したり新聞にしたりして残している。生きていく上で必要な表現を大切にしている。

かるた・・・簡単な言葉に生活がある。子どもたちに、お年寄りに原風景がある

(2)「『ふるさとなみえ科』は、帰るべき土地を失った子どもたちや学校が、ふるさとを学ぶとはどういうことかを我々に提起している学習である」
  1. 浪江に帰ることを勧める学習ではない。
  2. ふるさとの価値を見いだして、自分がどう生きていくかを見いだす学び
  3. 浪江の子どもたちが地域に誇りを持って将来に立ち向かってほしいという願いが込められている。

その中の選択肢として浪江に帰りたいと思う子どもが現れるのは大事にしたい。

(3)「小さい学校が持つ意味」

子どもを育てていく上で、小さい学校はとても意義がある。
子ども全員にいつも役割がある。

浪江小・津島小学校 ・・・・・・ 小さい学校が持っている教育的価値を発信している学校

一人一人に寄り添ってできる可能性がたくさんある。

内山節(たかし)という哲学者 ・・・・・・ 子どもを育てるとき2つの学問がある
1、文字の学問     文学によって学ぶ
2、無文字の学問     経験によって学ぶ
    子供が育つ経験を先生が組織する
    教育は経験を組織することに意味がある・・・教材化

先生方は、自分で周りから教材を開発しなければならない苦労はあるが、そこに教育的価値を感じながら取り組んでいる。

(4)「『ふるさとなみえ科』は、震災がもたらした教育の新しい改革と勇気を考えるきっかけとなる学習である」

参観者との懇談

  • 今日の発表は、みんな堂々と自信を持って行っていたことがとてもうれしい。みんなで助け合い、補い合って学習を進めている様子がよくわかる。今回の発表会に向け、我々も仮設住宅の学習会で練習の手伝いをした。A児、B児とは4年のつきあいであるが、成長を感じた時間だった。

    教育目標の「未来に向かって」は、我々と共通の思いがある。次のステップへ進むための支援を考えている。次のステップへ進むための支援とは、次の学校または次の進路へ円滑につなげていくこと。新たな活動の場でも希望を持って活動できる子どもになるよう支援すること。いずれここから大きな学校へ通うことになったときにどうつなげるかを考えていきたい。

  • 小さい学校は全員が主役。大きな学校では中に埋もれてしまう。小さな学校の強みを今回見させていただいた。

  • 小さな学校は、一人一人の学びの過程、つまり思考過程を大事にできる。さらにもっと深く追究していく学びが可能になる。小さな学校での保護者の不安は「少ない人数では社会性が育たない」「学び合うことが少ない」の2点。この不安は、「地域のいろんな方に学校に入ってもらい、年代を超えた多様な考えに触れるチャンスを増やす」ことで対応できる。

  • 高校でアンケートをとると大規模校の高校生の満足度は入学時からだんだん下がってくる。しかし、小規模の高校は、入学時は不本意入学の生徒も多いせいか満足度は低いが、卒業時には80%の生徒がこの学校に入って良かったと答える。大規模校から小規模校に異動してきた教師も同じようにこの学校に来て良かったと答える。大規模校よりも生徒と人格的なつきあいができ、自分たちが教師として成長できるという実感が持てるとのこと。浪江小・津島小の子どもたちも、この時期にここで学べたことは、生涯忘れることのない自分の原点になると思う。

  • 体験したり調べたりするだけではだめ。6年生は地域に住んでいた経験はほとんど覚えていない。そこに住んでいた人、やってきた人の思いを学ばせていき、課題解決の過程が子どもたちの生きる力を育てていくと思う。

  • かるたの表現も、最初は具体的な名前が出ていた。年月を経るにつれてだんだん象徴的になり生活感がなくなってきた。住んでなかったところをふるさととしてどうやって教えるのかは大事なこと。境野先生の話でふるさとを学ぶと言うことはふるさとに帰ることではないということに共感した。子どもたちにはどんどん世界に羽ばたいて才能を発揮してほしい。そして年をとったときにふるさとを思うようになればいいと思う。世界に羽ばたくには、今回見せていただいたように、「自分でやってみる」「比較をする」等本質を捉えた深みのある学習を行うことがとても大切でなはいかと思った。

  • ふるさと創造学では、方向性は示すが決まった答えを求めない。答えは一つではない。いろんな学び、いろんな経験をさせながら子どもたちとともに大人も成長できればいいと思う。

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